2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効しましたね。
核兵器廃絶に向けた非常に大きな一歩ですが、皆さんはこのニュースにどのくらい関心をお持ちだったでしょうか?
日本では大きなニュースにはならなかったように思うのですが、それは日本がこの条約に参加していない、参加する意向がないことを表明しているからかもしれません。
私が「核兵器禁止条約についての講演をしたよ」と話しても、「核兵器禁止条約って何ですか?核不拡散条約とは違うんですか・・・?」と返されることも。
そこで今日は、核兵器禁止条約についてお話をさせていただこうと思います。
核兵器禁止条約は、2017年3月と6月に行われた国連での交渉会議を経て、同年7月に国連で賛成多数で採択されました。
採択されたからといって、すぐに条約としての効力が発生するわけではありません。条約としての効力を発生させるには、少なくとも50か国が批准することが必要とされました。50か国が批准してはじめて、90日後に条約としての効力が発生することとされたのです。
ところで「批准」って何かおわかりでしょうか?
よく「条約に署名する」とか「条約を批准する」とかいいますが、実は意味が違います。
批准というのは、その国の議会の承認を得て、その国の国内でもその条約を守ることにするという手続きです。
一方署名というのは、その名のとおり、国の代表がその条約にサインすることです。一般的に私たちが目にする契約書では、サインすれば契約は成立しますが、条約は違います。ただサインしただけでは、その国の中での効力はないのです。
でも、署名するということは、「少なくとも反対の立場ではないよ」「将来批准できるよう努力するよ」という表明となりますので、条約に反する態度は取りにくくなるでしょう。
今回、核兵器禁止条約では50か国の批准が必要とされていますので、国内で議会もこの条約を守ると承認しているという国が50か国必要になるということですね。
核兵器禁止条約では、核兵器の開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵、移転、受領、使用、使用の威嚇などが禁止されています。使うぞといって威嚇することも禁止なんですよ。
続きは次回ブログに続きます~。
(弁護士 前田)