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先日記者会見をしたのですが、すぐには記事にならない様子でしたので、ブログでご紹介いたします。
被害者の方は、福岡市在住の男性、76歳で亡くなりました。
亡くなった原因は「中皮腫」。
中皮腫のほとんどはアスベストが原因だと言われています。
この方も、仕事中にアスベスト粉じんを吸い込んだのが原因として、労災の認定を受けていました。
中皮腫は一般的に進行が早く、この方も、中皮腫だとわかってから1年足らずで亡くなっています。
ご遺族の希望で、この方が勤務されていた会社(アスベスト製品を取り扱っていた)に対し損害賠償の請求をして交渉をしていたところ、訴訟に至らずに和解が成立しました。
具体的な和解内容は明らかにできないのですが、従来のじん肺訴訟の基準からしても、早期の解決であることを考えれば十分にご遺族の納得される内容だったと思います。
何よりも、交渉期間約6か月というスピード解決ができたことが大きな成果でした。
長年のじん肺訴訟の実績が、このようなスピード解決につながったのだと思います。
この交渉は「じん肺・アスベスト九州弁護団」のなかで、私を含め4人の弁護士が担当しました。(一人は九州建設アスベスト訴訟の事務局長!強力弁護団です!)
「じん肺・アスベスト九州弁護団」は、じん肺やアスベストによる被害に対応する弁護団です。
石炭じん肺やトンネルじん肺をたたかい、現在は、築炉じん肺(製鉄所の炉を作る作業。煉瓦の粉じんでじん肺を引き起こす。)など、様々なじん肺、アスベスト被害を取り扱っています。
今回の被害者のご遺族は、九州建設アスベスト訴訟の報道をきっかけにして、弁護団の電話相談の日に電話をしてこられたのですが、多くの方は、労災給付や会社からの補償に行きつかず、苦しい生活をされているのではないでしょうか。
私がお話を聞いたアスベスト被害者の方はみんな、アスベストによる病気だと診断されるまで、何件もの病院をめぐって苦しい思いをしたと言っていました。
アスベスト被害に関する情報、もっと周知してほしいと思います。
(弁護士 前田 牧)