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こんにちは、弁護士の前田です。
私が参加している九州建設アスベスト訴訟では、昨年2019年11月に福岡高等裁判所で判決言い渡しがありました。
建設アスベスト訴訟は全国で複数の訴訟が進行中で、まだ最高裁の判決はないのですが、近いうちに最高裁の判決が言い渡される予定です。
そこで、(最近アスベスト訴訟をCMしている某法律事務所もあることですし)アスベスト問題について、わかりやすく解説していきたいと思います。
第一回目はアスベスト被害についてお話しします。
アスベストとは?
アスベストとは、天然の鉱物で、石綿(いしわた、せきめん)とも呼ばれます。
いくつかの種類があり、日本では、クリソタイル(白石綿)、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)が主に使われていました。
アスベストはとても細い繊維状のものなので、空気中に飛散して吸い込んでしまうおそれがあるのが特徴です。
アスベストはどんな所に使われている?
アスベストは、保温断熱や防火耐火目的で、建物を建設する際に天井に吹き付けられたりしました。それだけでなく、建設に使う材料であるスレートや保温材にも使われていました。自動車のブレーキやドライヤーなど日常的に使用するものにも使われていました。
現在ではアスベストの使用は禁止されていますが、以前建設された建物には残っているケースも多く、解体する際に飛散する恐れがあります。
アスベストによってどんな病気になる?
現在アスベスト関連疾患として知られているのは、石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水です。
これらの病気はアスベストを吸い込んでから10年~50年を経過して発症すると言われています。
どのくらいの量を吸い込んだら発症するのかについては、はっきりとはわかっていません。
アスベスト関連疾患かどうかの診断のためには、診察する側に「アスベスト関連疾患ではないか?」という意識をもってもらうことが重要です。以前建設現場やアスベストを取り扱う工場などで働いていたなど、アスベストに暴露した可能性がある方は、そのことを医師に伝えて、「アスベストが原因ではないでしょうか?」と聞いてみることをお勧めします。
次回は、アスベストの裁判について解説します。